たまちゃんの裏庭道楽

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水耕栽培、果樹栽培、ナチュラルガーデン、DIY

サツマイモ栽培① 1個のポット苗から、どれだけサツマイモが増やせるかやってみよう

一般的なサツマイモの植え方

 サツマイモを植えたことがない人は、少し驚くかもしれないが、サツマイモの苗はしおれたようなツルであり、これがホームセンター等で安く売られているが、知らない人が見ると売れ残って劣化してしまった商品にしか見えない。

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 この苗(ツル)を数本入手し、そのまま土に埋めればいいのであるが、埋め方にもいろいろあって、水平植え、船底植え、斜め植え、垂直植え等があるが、いずれもツルの先端から3~5節が土の中に埋まるように植え付ける。

 植えるタイミングは曇天が良く、水をやって数日もすれば勝手に根が生え、葉が元気になってくる。

 それほどサツマイモの生命力は強く、根付いてしまえば水も肥料もほとんど必要ないし、連作障害もない。

 

サツマイモ苗の入手

 今年も、5本で100円ぐらいで売ってるサツマイモのツル苗を、ホームセンターで入手するつもりだったが、これを狙っている人が結構多く、店頭に出てもすぐ売り切れてしまうようで、案の定今年も「売り切れです」と言われてしまった。

 予約もできるらしいが、今すぐ欲しいのでツル苗の入手はあきらめて、少々高いが、焼き芋にするともっちり甘いと言われる紅はるかのポット苗を1個だけ購入することにした。

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↑紅はるかポット苗

 今までポット苗からサツマイモを育てたことがなかったが、早春に植えて、暖かくなってきたころにツルが伸びてきたら、ツルを何本かカットして、そのツルを植えれば増やせるかもしれないと考えたからである。

 それに甘くて人気がある紅はるかが、ツル苗で売られているのを見たことがないので、うまく行けばかなりお得である。

  

ポット苗の定植

 連作障害がないので、サツマイモを植える場所はいつも同じ南西向きの擁壁のきわに決めている。

 この場所は日当たりが良く水はけもいい、冬にほうれん草やレタスを植えていたので肥料分は少し残っている程度である。

 

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↑ 紅はるか 定植 2019.5.4

  

ポット苗定植6週間後、生えてきたツルをカットしてすぐ植えてみた

 ポット苗を定植してから、6週間ぐらいすると、予想どおりたくさんのツルが枝分かれして伸びてきた。

 その中の1ツルを根元の分岐部分でカットして、土に埋める部分の葉っぱを落として、寝かせた状態で、ポット苗の隣に埋めた。

 (後で詳しく解説するが、ここで葉っぱを落としたのは間違いであった。)

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↑ 右 紅はるか        左 カットしたツル     2019.6.15   

 

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2019.6.15   カットしたツルをすぐに土に埋めたところ ↑ 

 

 通常、サツマイモのツル苗は、根を生えやすくするために少ししおれさせたツルが売られているが、今回植えたツルは、カットしたての新鮮なツルである。

 果たして、うまくいくのだろうか?

  

 まだツルがたくさん生えているので、ついでにもう一本カットして別の場所にも植えてみた。

 サツマイモは暑い程よく育つので、土の温度が一番高温になりやすいコンクリート擁壁の角で、他の植物には高温になり過ぎて、雑草しか生えないような条件の場所に植えてみる。

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コンクリート擁壁の角にもツルを埋めた ↑                   2019.6.15

 

カットしてすぐに植えたツルの様子

 カットしたツルを植えて、水やりもちゃんとしていたが、5日ほど経って片方のつるは完全枯れてしまった。

 失敗である。

 擁壁の角に植えたもう片方も元気がないが、こちらは数日後何とか少し復活してきた。

 

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↑もやは枯れかけ   2019.6.22 

 

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↑こっちはかろうじて数日後復活するが、、、、 2019.6.22  

 

 

  カットして直ぐにツルを埋める方法はうまくいかないようだ。

  

 正しいサツマイモのツルの植え方

  苗から採取したツルを植える方法がうまくいかなかったのは何故だろう?

 そこで、いろいろ調べてみることにした。

 結論としては、今回のようにポット苗を早春に植え、気温が暖かくなった時期に、生えてきたつるをカットして定植するアイデア自体は間違っていなかった。

 間違っていたのはやり方で、正しい手順を勉強してから、再度挑戦してみることにしたよ。

 幸いツルはまだまだ枝分かれしているので、10本以上はツルが取れそうだ。

 

 手順

①ツルの採取

 主幹から分岐したツルで、長さが25~30cm 、本葉が 6~8 枚ついてるものを根元からカットする。

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 ツルについてる葉は、ツルの根元の方に生えている小さい葉以外は、定植の際に土に埋める部分であっても、そのまま生やしておく。(前回は誤って切り落とした)

 土に埋まる部分は、下の写真の赤で囲った部分だよ。

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↑ つるを採取 2019.6.24

 

②ツルをいったんくったりさせる

 採取したツルは日陰で2~3時間放置して、一旦葉をくったりさせる。

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↑ くったりさせた 2019.6.24

 くったりさせる理由は、ツルに自分独りで生きることを自覚させ、根を出しやすくするためだよ。

 生まれ変わるというか、性格が変わるんだね。植物って奥深いね。

  

③ツルに吸水させる

 清潔なバケツ等に水道水を入れて、くったりしたツルに吸水させる。

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 数時間でシャキッと葉が復活してくるよ。

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 ↑ 吸水後シャキッとなった  2019.6.25 

(②の放置時間をあまり長くすると、復活するのにも時間がかかるぞ。その時の湿度にもよるけど、晴れた日の屋外日陰で6時間も放置すると、復活するのに丸2日かかった。 雨の日の室内で6時間放置した場合は、1時間でしゃっきとなったよ。)

 

④ツルを鉢に仮植えして、日陰で養生する

 吸水でツルの葉がしゃっきと復活したら、植木鉢に清潔な土(下の写真では鹿沼土を使用)を入れて、ツルを仮植えし、水をたっぷりやった後、日陰で養生する。

 植木鉢で養生を始めると、また葉がしおれたようになるが、3~4日すると根が生えてきて、葉がまたしゃきっとしてくるよ。

 雨が2~3日続くようであれば、植木鉢で養生しなくても、吸水させた後そのまま定植できるよ。

 

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↑ 吸水後、鹿沼土に挿し木した     2019.6.25

 

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↑ 挿し木して4日で根が生えた。 2019.6.29

 

⑤ツル苗の定植

 曇りか雨の日をねらって、根を傷つけないように定植し、水をたっぷり与えておく。

 ツルは少し湾曲させて船底植えで定植したよ。

 ツルの植え方は、ツルの形や、植える場所によって臨機応変に変えたらいいと思う。 (例えば短いつるや、植えるスペースが少ない場合は垂直植えにする等。)

 

 下の写真の右側が、後から正しいやり方で定植したつるだよ。

 正しいやり方で定植したツルは、ポット苗からツルを採取したときに生えていた元気な葉が全て健全にはえそろった状態からスタートできるので、その後の成長が良さそうだ。

 左側は、ツルを採取してすぐ植えてしまったやつだが、先に植えていたのに勢いがないね。

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↑ 左 6.16に定植  右 正しいやり方でつる定植 2019.6.29

 

  結局、間違った方法で定植したツルは抜き取って、新たにツル苗を植えることにしたよ。

 抜き取った根を確認すると、さほど成長してないことがわかるね。

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↑ 2019.6.29 

  

 その後もポット苗からはツルがいっぱい出てくるので、同じ方法でいたるところに定植してみたよ。

 定植した場所は、いずれも擁壁のきわで、肥料分があまりなくて、日当たり水はけが良い場所を選んで植えてみた。

 擁壁のきわに定植する理由は、葉が伸びても擁壁に垂らしていけば、伸びたツルから必要のない根が生えるのを防げるし、他の植物の邪魔にならないからね。

 伸びたツルが地面に接していると、そこから必要のない根が生えて、芋は育たないのにツルばかりが伸びる、いわゆる「ツルぼけ」になってしまうので、時々ツルを引っ張って根っこを張らせないように注意しなければならない。

 

⑥ツルを取り終えた後のポット苗について

 ポット苗のまま定植したものは、根っこがねじれて良いサツマイモが育たないらしいが、今回は実験を兼ねて、このまま育てて結果を検証することにしたよ。