ボールレスキューについて
1.ボールレスキューとは
最近、テニス仲間がボールレスキューという物を購入したと言うので、さっそくインターネットで調べてみて、こんな商品があったのかと少し驚いた。
この商品は、加圧することによりボールのエア抜けを防ぐだけでなく、外からの圧でエアの抜けたボールも多少復活できるというものである。
フェルトは傷んでないのにエアが抜けただけでボールを捨ててしまうのはもったいないし、購入費用もかさむので、このような商品があると助かる。
しかしこのボールレスキュー以外に、このような商品はあまり存在しないようだ。
おそらく、そのような商品があるとテニスボールが売れなくなるので業界的にまずいといったことや、空気漏れなどのトラブルも発生しやすいなどの問題点もあるのだろう。
たま吉も、空気漏れについては心配だったが、仲間に聞いたところ特に問題ないということだったので、思い切って購入することにした。
ボールレスキューの詳しい説明は、下の写真のとおり。
かなり詳しい説明書で、消費者への配慮が感じられる。
2.ボールレスキューの構造
市販のボールのケースのような透明容器に、内側に突起のある筒状のパーツを、ボールケースのくびれにはまるように外から取り付け、筒状パーツの外側のネジにフタをねじ込むことで、ボールケースのアルミ部分の先端が、ちょうどフタのパッキン(オーリング)の凸部に押し付けられ密閉できる構造になっている。
空気を入れるためのバルブは、米式になっており、原付バイクのタイヤのバルブと同じ形式である。
スポーツバイク(自転車)の空気入れは、仏式バルブでも米式バルブにも使用できる。ただしママチャリのような英式バルブではないので、ママチャリ用の空気入れが使えるかどうかは不明である。
下の写真はフタを手で、ねじ込んだ状態。
少し筒状パーツの割れ目が広がっているところに注目して欲しい。
これはボールケースがパッキンに強く押し付けられることによって、筒状パーツがボールケースのくびれから逃げようとするため広がってしまうのである。
取説には、この割れ目が広がらないように、フタを強く締め付けるとあるが、フタを強く締めるほど割れ目は広がっていくので、少々矛盾がある。
下の写真はインジケーターがほぼ緑色になるまで空気を入れた状態で、空気入れのゲージは 30PSI を示している。
30PSI の圧力を加えた状態では、筒状パーツの割れ目がさらに広がっていいるのがわかる。
3.ボールレスキューの空気漏れについて
ボールレスキューを使い始めた頃、加圧状態が1週間程しかキープできないので、その都度再加圧を行っていたが、だんだん加圧状態をキープすることが難しくなってきた。
この症状は、シリコングリスを塗布したり、パッキン部分をきれいに掃除しても解決しなかった。
原因として考えられるのは、筒状パーツの割れ目が広がり、力が逃げ、パッキンに強く押し付けられてないのではないかという点もあるが、その他に気づいた点があった。
それは、ボールケースのアルミ部分の先端に、微妙なくぼみがあり、ここから空気が逃げているのではないかという疑問であった。
このくぼみは無くすことは出来ないので、別の市販のボールのケースを利用することを考えた。
下の写真は、ボールレスキューとセントジェームスのケースとの比較である。
セントジェームスのケースにもアルミ部分に謎のくぼみがあるが、先端ではなく内側にあるのでパッキンと接触する部分ではないので、問題はなさそうである。
試しにセントジェームスのケースに、そのまま筒状パーツをはめ込んでみると、下の写真のように割れ目が広がってしまい、このままでは使えないようだ。
よく見ると、アルミ部分の径は同じであるが、セントジェームスの方がくびれ部分が浅いことがわかる。
そこで、セントジェームスのケースくびれ部分を、少しづつチャッカマン等であぶり、柔らかくして、外から筒状パーツを転がしながら力を加え、くびれを深くしてみた。
これで筒状パーツも問題なく取り付けできるようになった。
使用してみると、問題なく使えたが、それでも空気漏れの症状は改善しなかったのであった。
そうなるとやはり、筒状パーツの割れ目が広がり、力が逃げ、パッキンに強く押し付けられてないことが原因なのか?
結果、筒状パーツの割れ目が広がらないように、下記の写真のようにステンレス針金を巻きつけることで漏れ症状は完全に治まった。
針金を巻きつけた後は、加圧しても、筒状パーツの割れ目は広がっていない。
また1週間経過しても、空気圧は全く抜けないようになった。
上記の以外にも、漏れ症状には様々な要因が考えられる。
実は、ステンレス針金を巻いた後も、数週間使用していると、また漏れ症状が出てきたのだ。
原因は、ボールケースのアルミ部分に目に見えないほどの傷がついていたためで、蓋についた砂が傷つけたと思われる。
これは金属磨きでアルミ部分をピカピカにすることで、簡単に漏れがなくなった。
(これ以降ボールレスキューはコートに持って行かず、家で開封を行うようにしている。)
おかげ様でこのボールレスキューを購入してから、ほとんどボールを買うことがなくなったので、買ってよかったと思う。