ベランダ水耕栽培⑱ 強力エアーポンプと小玉スイカ
今まで使っていたエアーポンプの風量に余裕がなかったので、強力エアーポンプ(AP-30P)を購入した。
4分岐装置込みで1万3千円ぐらいしたので、水耕栽培としての採算性は赤字に転落だが、水耕栽培は趣味と割り切ることにする。
到着してみると思ってたよりも大きく感じた。
外観が丸くてかわいらしいので勝手に小さいものと思い込んでいたようだ。
また意外だったのは、電源スイッチがついていないこと。
このポンプは浄化槽用(下水道が無い所で、トイレの汚水等を微生物で分解する水槽)なので連続稼働、湿気の多い環境での使用等を考慮し、あえてスイッチを設けてないのであろう。
動作確認
このエアーポンプの定格風量は、30(L/min)で、今まで使用していたポンプの6倍以上。
さっそく運転してみよう。 ワクワク
コンセントを差し込むと、いきなり動き出す。
ムム、けっこう音がでかい!
風量が多いので、「スー」、「ポコポコ」という吐出音が大きいのは仕方がないとして、「ブーン」というモーター音もまあまあでかい。
これは家の中で使える代物ではない。
やってしまった。
ヤフーオークションにでも出すしかないのか?
しかし待てよ。
静音設計ということで、評価が高かったこの機種で、これだけの音が出るということは他の機種はもっとうるさいに違いない。
これだけの風量を確保するためには、仕方がないのかも。
ヤフオク送りはいつでもできるので、とりあえず試行錯誤してみることにしたよ。
ポンプ騒音対策
家の中や、バルコニーでの使用はあきらめ、庭に設置することを考えてみる。
庭から水槽のある2階のバルコニーまでは、配管やホース等で空気を送れば何とでもなる。
さっそくポンプを庭に持ち出して、買ってきたコンクリートブロックで四方に壁を作り、上からふたをして運転してみた。
しかし、まだ「ブーン」というモーター音は聞こえる。
10メートル離れてもわずかに聞こえるぐらいの音で、これは低周波騒音なので厄介だ。
近所迷惑になるし、深夜に動かせない。
またヤフオク送りが頭に浮かんでくる。
悩んだ末に、地面に穴を掘って、地下に設置することを思いついた。
この案がうまくいけば、防音と、モーターから出る熱の問題も一気に解決できるかもしれない。
なぜなら地中というのは、比熱の高い水分を含んでおり、かつ体積がほぼ無限で温度が一定しているからだ。
土穴に設置した場合の防音効果を検証
穴を掘る場所は、クーラーの室外機の真下が、雨もしのげて、邪魔にならずちょうどよい。
とりあえず垂直に深さ40センチほど掘ってみた。
試しにポンプを放り込んで運転してみる。
その前に、ポンプが土ほこりを吸わないように準備する必要がある。
このポンプの空気取り入れ口は上部にあり、オレンジのふたの周囲から空気を吸う構造になっていて、中にスポンジフィルターが入っている。
上から直接、土が降ってきた場合、フィルターが汚れるおそれがあるので、オレンジふたのネジを利用して、アルミ板のカバーを取り付け、さらにポンプ全体を不織布で包んでから穴に放り込むことにしたよ。
ポンプを土穴の中に入れて、ふたをして運転してみると、
「シーン」、予想以上に無音になり、感動。
この計画で進めて行くことを決断した。
土穴の仕上げ
土穴の深さは、最終60センチまで掘り下げ、水が沸かないことを確認し、底には砂利を敷き詰めた。
掘った穴は崩れないように、輪切りにしたポリタンクを使って上部を土留めした。
土穴のふたは、2センチぐらいの厚みの木板を使用し、上からコンクリートブロックを乗せることにした。
配管の取り付け
次は、2階のバルコニーまで空気を送るための配管を設置する。
配管は既設の雨どいに沿わして立ち上げるので、雨どいの手前に土穴と同じ深さの溝を掘ってから、配管を通すための細いトンネルを開通させた。
最終的な配管の施工は下図のとおり。
配管は塩化ビニル配管(VP13)を使用。
塩ビ配管の接続には専用の接着剤を使用する。
なおメンテナンスを考慮し、ポンプとの接続配管は接着剤を使用せず、差し込み&テープ巻きのみとする。
塩ビ配管と4分岐装置(外径19mm)との接続は、耐圧ホース(内径19×外径26mm)を利用した。
こっちのほうが専用のゴムホースを購入するより安くつくからだ。
配管の立ち上がり部分は露出配管となるので、怪しい塩ビ配管や、電線が目立たないように、雨どい用の配管でカバーすることにした。
これにより、塩ビ配管が日光で熱せられ中の空気温度が上昇することを防ぐこともできると思ったからだ。
しかし雨どい用の配管は価格が高いのが難点、水耕栽培の採算はますます赤字になった。
雨どい配管の上部は、あえて開放状態とすることで煙突効果による上昇気流で、わずかながら中の配管を冷やすことができるであろう。
当初、配管の先端につける4分岐装置は、目立たないように水槽の下部に設けていたが、水槽の水が空気配管に逆流し、空気が出なくなる症状が発生した。
そのため現在では、4分岐装置は水槽の上部に設置している。
↑ 小玉スイカ
配管の設置後、試運転してみると。
4分岐装置からは勢いよくエアーが噴き出した。
ポンプから4分岐装置までは6mぐらいの距離があるが全く問題ないようだ。
しかし、ポンプ能力が高過ぎて、ブクブク音がうるさ過ぎる。
これでは窓を開けたまま眠ることができない。
ブクブク音を減らすには、風量をしぼるしかないが、4分岐装置のバルブをしぼってしまうと、空気の行き先がなくなりポンプが壊れてしまう。
したがって、余った空気はどこかに逃がす必要がある。
逃がし口には、風量を調整するためのバルブも取り付けなければならない。
バルブは、4分岐装置をもう一つ購入し、逃がしバルブとして使用することにした。
将来的に、水槽を増やすことも考慮したからだ。
また逃がし口からは「スー」という騒音が発生するので、土穴の中で逃がすことで解決。
小玉スイカの水耕栽培
4月下旬
20リットル容器でスイカができるか少々不安はあるが、強力エアーポンプを導入することにしたので自信はある。
下の写真で、手前がスイカである。
今のところ何の問題もなく育っている。
↑ 手前の右側が小玉スイカ
5月中旬
根が広がってきたので、そろそろポリタンクに移しかえる。
6月中旬
小玉スイカの水耕栽培、ほったらかしで育てていたら、つるがたくさん生えてきて、念願の雌花も咲きだした。
さっそく雄花を切り取って雌花に直接花粉をつける、人工授粉をやってみた。
しかし、なかなか実が付かない。
育て方に問題があるのかも?
調べてみると、「親づるは本葉7枚程で芯止めし、子づるを3~4本伸ばす。」とある。
既に親づるらしきはつるは相当伸びていたし、子づるも7本ぐらい発生していたので、処置が遅すぎた感があるが、とりあえず一番伸びているつるの先端を摘芯し、小づるも、もったいないが4本だけにしてみた。
↑ 剪定した小づる。(本来はここまで伸びる前に剪定しなければならない)
6月下旬
ある朝、突然実が膨らんだ実を発見!
↑ 小玉スイカの根
7月中旬
小玉スイカの収穫時期は受粉から35日程度。
そろそろ収穫することにした。
包丁を少し入れただけで、パッカーンとはじけるように割れてしまった。
こわごわ食べてみると、見た目よりも甘く、皮に近い白い部分にも甘みがのっておいしかったよ。
7月下旬
2個目のスイカは勝手に割れてしまったのですぐに収穫。
こちらも大変甘かった。
ひょっとして割れるまで待ってから収穫すると、ちょうど食べごろなのかも?