レモン栽培② 花が咲かない理由と対策
2019.5月中旬
早春の枝葉がすくすく伸び、だいぶんしっかりしてきた。
黄色くなった古い葉を全部落としたのが功を奏したのか、毎日のように卵を産み付けるアゲハチョウがあまり来なくなったみたいだ。
なのに、
花はいつの間にか落ち、このままでは今年は一個も収穫できずに終わってしまう!
↑ 貧弱な花が5か所ぐらいしか咲いてない。
昨年は立派なレモンが10個も収穫できたのに、、、パワーを使い切ってしまったのだろうか?
そこでネットでいろいろ解決策を調べていると、ひょっとしてこれかも?というものがいくつかあったので試してみることに。
その1「樹勢が強すぎるために花芽がつかない、枝を下方向に誘引する。」
確かに葉は元気に出てきている、これは有力な情報かも。さっそく枝を全部下向きにまげてやろう。
見栄えの悪いポリひもしかなかったのが残念だが、ひもを全部使い切ってしまうことにした。
↑ ポリひもで枝を下向きにし、少し剪定したところ。
その2「主要枝を3本にしてそれ以外は根元からカットする。」
その1を実行してから、この情報を知り、うちのレモンの主要枝はどうなってるかなと、数えてみると5本もある!
↑主枝が5本もある。
ひょっとして、主枝の分岐が多すぎて、一つ一つの枝の勢いが分散してしまい、花が咲かないのかも?
そういう目で、うちのレモンを観察すると、全体に枝先が細くてひょろ長い、それなのに新枝はそのひょろ長い枝の先端からさらに出ているので、このままほっておくと、ますますひょろ長い枝が枝分かれしていくことになる。素人目に見ても、このひょろ長い枝先に、立派なレモンが実るようには思えないよな。
↑ひょろ長い枝 2019.5月初旬
剪定は3月ごろにやる作業らしいが、気になりだすと来年の3月まで待っていられなくなった。
えーい、やるのなら早めに対処したほうがいいだろう。
今年の収穫は多少あきらめる覚悟で、すっきりさせよう!
「主枝をカットするときは、根元の分岐からカット」とあるので、思いきって切ってみることにした。
すると思いのほかスカスカになって、葉の半分くらいがなくなってしまった。
「結実のためには、レモンの剪定は控え目にする。」「葉数3割減以下」等の記事を、後から発見し、かなりの後悔。
もう完全に、今年はあきらめるしかないな~。
↑ 主要枝を剪定し、スカスカ状態に。せっかくポリひもで曲げた枝は、主枝をカットしたらバランスがとれなくなったので、ジュートひもで曲げなおした。また、主枝の切口は、病気が入らないように、速乾木工ボンドを塗って保護した。
今年はあきらめるとしても、これからどうしていけばいいのか?
レモンの栽培方法については調べれば調べるほどいろんな情報が出てくる。
上手に育てるためのポイントは非常に多いようだ。
以降、調べた結果をまとめてみた。
その3「 花芽は前年の春に伸びた枝の先端につく、夏と秋に出る枝にはつかない」
前年の春に伸びた枝がどれなのかわからない。
3月の剪定の時に切り落とさないようにするらしいが、どうすればいいのだろう?
いろいろ調べてみると、鉢植え栽培等では、春に伸びた枝だけにすればいいのであるから、夏と秋に出て来た芽はその時点で摘んでしまう手もあるようだ。
これに対して農家さんでは芽を摘むというような作業は行っていないようだが、おそらく農家さんの場合、春、夏、秋の枝を判別することが可能であるため、夏、秋枝の剪定は3月に行ったほうが作業効率がいいのではないかと思われる。
それにレモンの冬場の防寒性を考えると、寒い地域で育てる場合は、3月の剪定時期まで夏枝を残しておいた方が有利なのかもしれない。
また夏枝は実の付かない徒長枝となりやすいが、上手に剪定や下方誘引を行えば、夏枝からも春枝が生えてくるので、レモンの木を大きくすることを優先したい場合は残しておいてもかまわないようだ。
その4「レモンは春、夏、秋の年3回花が咲くが、収穫するのは5月の花が秋に実になったもの。夏と秋の花は不要」
まあこれは納得、レモンは寒さに弱いので、冬には実が育たないってことでしょ。
夏と秋に花が咲いたら、取り除けばいいか。
一年中暖かい国なら、夏花も結実するのかもしれないな~
(日本では花は春にたくさん咲くが、たまに夏や秋に咲くこともあるよ。)
その5「前年実がなった枝には実がつかない。」
3月の剪定の時に、前年実がなった枝は剪定するらしいが、う~ん、どの枝にレモンがなっていたかなんて覚えてない。
実がなったときに、印でもつけるんかいな?
これもいろいろ調べてみると、レモンの収穫時に枝ごと直近の分岐のところでカットしてしまえば、しるしをつけたり、覚えておかなくても済むみたいだよ。
なるほどそりゃそうだね。
その6「25㎝以上の長い枝は先端1/3をカット、40㎝以上は分岐のところでばっさりカット」
この長い枝というのは、どの枝のことを言っているのだろう?
もし主枝が25㎝だとすると、相当コンパクトに育てなければならないことになるので、春・夏・秋にに主枝から出てくる脇枝のことだと認識しよう。
25㎝以上の長い枝は花芽のつきが悪く枝の成長にエネルギーを使う傾向があるので、3月の剪定時に先端をカットしておけば、花芽のつきやすい短い脇枝が、その枝の脇から出やすくなるということのようだ。(春枝はほとんどが25㎝以下)
既に40センチ以上あるような徒長枝(夏枝に多いようだ)の場合は、枝の途中でカットしてしまうと、そこからまた徒長枝が発生しやすいので、分岐のところでばっさりカットするといいようだ。
その7「春に伸びる枝が3本に分岐しているときは、2本以下にする。」
今春に出て来た枝は、確かに3本に分岐しているものが多くあった。素人が見ても分岐し過ぎと思ったので、既に分岐部でカット済だよ。
↑ 3本に分岐している芽
その8「 樹冠内部に短い枝梢を多く発生させ、葉数の多い結実層ができるように樹を作る」
何か難しいことが書いてある。
要するに主枝の先端にだけ実をつけさせるような樹形ではなく、上に伸びた枝を下に曲げたり、透かし剪定をしたりして、木の内側にも日光が当たるような、樹形にしてやると、内側の主枝の途中から花のつきやすい短い枝が出るので、収穫量が多くなるというような意味らしいよ。
今回、主幹の途中から出た短い枝は、何本か切ってしてしまったような気がする。もっと早く知っていれば、、、
その9「隔年結果」
柑橘系果樹は、豊作な年の次の年は不作になりやすいようだ。
まさに、うちのレモンがその状態にあるのかも、どちらにせよ今年はダメってことみたい。 あきらめがついたよ。
その10「摘果」
隔年結果にならないようにするには、実一個に対して葉が20~30枚ぐらいになるように摘果するといいみたい。
7月までは生理落下と言って、勝手に実が落ちる現象があるので、8月まで待って摘果しよう。
せっかく付いた実を摘み取るのは少々もったいない気もするが、早めに摘果すれば来年また同じ枝に実をつけるみたいだよ。
まとめと対策
情報が多すぎて少々混乱してきた。
たま吉のレモンはどういう状態で、今何が必要なのかをここで整理してみる。
・たま吉のレモンは、過去に10個収穫できたことがあるので、日照条件に問題はないだろう。
・レモンは縁側のど真ん中に植えているため、窓からの風景を邪魔しないように、枝を下に曲げ横に広がった樹形にしていたことは、正解だったみたい。
しかし剪定を行わなかったため、枝別れが多く、栄養が分散しすぎて、それぞれの枝が細長く広がりぎみの樹形になっていた。
・樹形は、3本にした主枝のうち1本を柱に沿わして縦に伸ばし、あとの2本は両側の窓枠の下側に這わせるように横に伸ばしいきたい。
・コンパクトに育てたいので、主枝があまり長くなるようなら、枝の先端を直近の分岐部分でカットし芯止めすればいいかな。
・主枝は下に曲げているので、曲がったところから、来年の春に結果枝(実がつく枝)が出てくることを期待しよう。
・今回、主枝を3本にしたため葉数が減ってスカスカになったけど、今後はこの3本の主枝に栄養が集中するはずだ。
また、スカスカ効果でカイガラムシはいなくなったが、葉数を減らし過ぎたので来年もあまり収穫は見込めないだろうな。
・夏と秋に芽が出てきたら、すぐ摘み取ろう。
(最近のたま吉は、夏枝と春枝の区別ができるようになったので3月の剪定時期に実施している。)
・スカスカになったので、冬場の耐寒性が弱くなりそうなので防寒対策が必要かも。
・アブラムシやアゲハ蝶の卵や幼虫は、すぐ除去しよう。
(カミキリ虫にも注意、枝の皮がはぎとられてしまいます。)
・葉っぱが黄色くならないように、肥料切れに注意。
(最近のたま吉は、成長期は夜間に葉に液肥を散水している。冬場は防寒しない限りどうしても葉は黄色くなるようだ。)
・縁側は半軒下なので、雨があまり当たらず乾燥しやすいのでハダニが発生しやすい。雨の少ない冬場も、葉にこまめに水をかけてハダニやすす病を防ごう。
(レモン栽培①参照)
この記事を書き終えた頃に、ついに今春咲いた花は全て落ちてしまったよ。
しかし、これは今まで何も考えないで育てて来たため、必然的にこうなってしまったんだ。
「レモン栽培は簡単にできます」と紹介しているサイトを見かけるが、育てるポイントを押さえておかないと、毎年のように収穫することは難しいね。