車庫前にある側溝の溝蓋をDIYで製作したよ
側溝製作の目的
先週、新車への買替えを機に、側溝の壁の補修と溝蓋の製作を行った。
理由は、車を出すたびに、後輪が側溝に落ちそうになるからなんだけど、それだけでなく、大雨の時に側溝の壁の欠けた部分から雨水があふれだし、たま吉の家の古い石積擁壁の側面に流れてくる。
石積擁壁はたま吉の家が建つ以前からあったもので、おそらく60年ほど前に作られたものであるが、擁壁立ち上がり部分にまともな側溝設置されていないため、擁壁の隙間に雨水が染み込み、知らぬ間に擁壁裏の土砂が少しずつ流され空洞化し危険と感じたからなんだ。
補修の方針
(1)側溝の欠けた部分から、あふれださないように、道路側と同じ高さまで側溝の壁を高くする。
(2)必要最低限の範囲で、取り外し可能な溝蓋を作成する。
側溝全体をコンクリートで塞いでしまうと、物が挟まったときの点検ができない。また現況復旧をしやすくするため。
(3)後輪が乗っかれるように、溝蓋は傾斜に沿ったスロープ状の形状とする。
(4)溝蓋はコンクリートで作成し、車の荷重に耐えるものとする。
当初グレーチング蓋を考えたが、グレーチングを取り付けるには、既存の側溝の形状が複雑過ぎて施工するのが難しのと、グレーチングが高価なので却下した。
溝蓋の設計
側溝が複雑な形をしているので、下の写真のように簡単なイラストを描いて、イメージを整理した。
赤線で描いた部分が今回製作する溝蓋で、溝蓋の内部には鉄筋を入れるが、やや下の方に配置する。
理由は、コンクリート溝蓋に上から荷重が加わると、溝蓋がたわみ下面側に引張力が働くが、コンクリートの引張強度はコンクリートの圧縮強度の10分の1以下しかないので、鉄筋で補強する必要があるからなんだ。
またコンクリートはアルカリ性だが、酸性雨等で中性化していくと鉄筋が錆びてくるので、鉄筋はあまり表層の方には配置できないよ。
この溝蓋の先端部分が側溝に乗っかている部分の長さは、4センチ程しかないが、ここに力が加わりやすいので、鉄筋を入れたいところだが、上記の理由であまり先端まで鉄筋を伸ばすことができない。
仕方ないので、コンクリートを補強する意味で、亜鉛メッキの針金で作ったカゴ状の物(黄色の部分)を先端に仕込むことにしたよ。亜鉛メッキは鉄を錆びにくくするからね。
大まかな施工順序
①側溝の壁の製作(上記写真①の箇所)
側溝の欠けた部分を、コンクリートブロック(ハーフ)で塞ぎ、背後にセメントレンガを積み上げ、大きな隙間はインスタントコンクリートを流し込んで、厚い壁を設けて、最後に溝蓋の枠を上部に設けるよ。
②道路側溝蓋枠の製作(上記写真②の箇所)
道路側の側溝の淵にも溝蓋の枠を作るため、インスタントコンクリートで傾斜を付けるて枠の形に盛り上げる。
③溝蓋の製作(上記写真③の箇所)
溝蓋の型枠を作り、必要な高さまで硬めのインスタントコンクリートを流し込み、途中で鉄筋を入れつつ、コテで成型していく。
施工詳細
①壁の製作について
下準備として周辺の雑草を抜き、高圧洗浄機でコケや土を洗い流す。
またセメントが付着しやすいように、既存のコンクリート表面の汚れをワイヤーブラシでこすり落としたよ。
コンクリートを流し込んだ時に、壁と擁壁の結合を確実にするために、コンクリート用ネジを壁にもみ込み、わざとネジの頭を出した状態にする。(本当は、擁壁に鉄筋のアンカーを差し込みたいところだけど、作業スペースが狭いし、大げさなのであきらめたよ。コンクリート用ネジは、振動ドリルで規定のサイズの下穴をあけた後、ドライバーでねじ込むだけだよ。)
さらに、コンクリートやモルタルが既存の構造物と付着しやすくするために、NSハイフレックスHF-1000という接着剤を、既存コンクリートや、これから積むコンクリートブロック等の表面に、少し水で薄めて塗りつけておくんだ。
ここからが忙しいよ。
レンガ用モルタルとインスタントコンクリートを、別々に練っていく。
水の加減はどちらも最初は適当に混ぜていき、粉っぽさがなくなってきたら、慎重に水を加えていく。最終的に必要最低限度に流動性のある状態まで来たら終了だ。(必要最低限と書いたのは、流動性がありすぎると弱いコンクリートになるのと、レンガ用モルタルの場合は、レンガを積むときにモルタルが流れてしまうからだよ。)
また、こねるには少し力が必要なので、短い柄のスクレーパーで混ぜているよ。
ここから、コンクリートブロックを積み上げていくよ。
通常、鉄筋を垂直に差し込んでからブロックを積むが、ブロックの下が普通の赤レンガであるため、まったく強度がなく鉄筋を指すことができないので、そのまま積むしかできなかったよ。
まず側溝の欠けた部分に、モルタルを塗って、コンクリートブロックを水平器で測りながら置いて、両側をモルタルまたはコンクリートで埋めたよ。(大きな隙間は強度のあるコンクリートで埋めるが、隅々まで行きわたらせるようにツッツキながら流し込むよ。)
壁の後ろ側は、セメントレンガをモルタルで積み上げていくよ。(型枠を組んでコンクリートを流し込んでもいいけど、セメントレンガの方が材料費(50円/個くらい)が安く、型枠を組む必要もないからね。)
壁の天井がフラットになるところまで積み上げたら、今日は終了。
(明日溝蓋の枠を追加するため、途中で鉄筋を一本立ている。)
次の日に、溝蓋の枠を、型枠を作ってコンクリートを流し込み、上に追加した。これで 施工順序①壁の作成 は終了。
②道路側溝蓋枠の作成
道路側の枠の作成はコンクリートで盛るだけなので簡単。
まず型枠で土手を作り、既存部分に接着剤を染み込ませ、早強インスタントコンクリートで盛りつけるよ。
この早強コンクリートは、少し硬めに練っていたけど、気温が10℃位なのに、予想以上に固まるのが早く、ちょっと焦ったよ。流し込むというより粘土で固めたものをハンマーでたたきながら、スロープ形状に整形したという感じかな。
使用した理由は、雨の心配があったので早く固めたかったのと、車の荷重を毎回に受ける部分なので、強度が必要と思ったからなんだ。
↑ 型枠
↑コンクリート盛り付け後
③溝蓋の作成
溝蓋の容積から、必要なインスタントコンクリートの量を計算すると、概ね40キロある。この重さを支えることができるように型枠を現場施工するよ。
底板は木の柱で支える。側面も木で補強しているよ。
コンクリートが漏れないように、一応防水テープで型枠の内側に目張りをする。
溝蓋が乗っかる部分は、ゴム板を置いて、クッション性を持たせる。
施工が忙しくて、写真撮影を忘れたけど、途中で鉄筋や、亜鉛メッキの針金で作ったカゴ状の物を入れ、コンクリートを突っつきながら盛りつけていったよ。
最後に、溝蓋を持ち上げる時のための、アイボルトを差し込んだまま固めているよ。
このまま固まるとおそらく溝蓋を取り外すのは大変だろうな、しかし型枠の木が腐って隙間ができてくると、取り外しが可能になるんじゃないかな。
完成だよ。