エンジンルームに猫やイタチが入れないよう対策してみた。
きっかけ
先日、今年買い替えたばかりの新車「マツダCX3」のバッテリーを確認しようと、ボンネットを開けたところ
ブラ〜ン 眼前に何かがぶら下がっている!!
なんじゃこら?
動揺を抑えつつ見ていくと、垂れ下がっている物の正体は、ボンネットの裏側に貼ってある吸音断熱材が綿状にモケモケになったものであった。
吸音断熱材には30センチぐらいの大穴が開いており、真下のバッテリーの周囲には、モケモケが敷き詰められたように散らばっている。
いったいどうしてこんなことに??
新車が、、、
半分泣きたいぐらいの気持ちで、目視点検していくと、
ヒョエ~
エンジンルームの端っこの方に、骨が散らばっている!!!
まさか、猫がエンジンに巻き込まれて死んだのか!?
衝撃を受けながら、さらに調べていくと、追い打ちをかけるように
今度はうんちかい!!!
完全になすがままの状態になったところで、この状況を冷静に分析していると、だんだん腹が立ってきた。
その理由は、下記の結論に至ったからだ。
何が起こったのか?
1.小動物はエンジンルームの中では亡くなってはおらず、中で生活をしていただけ。
エンジンルームの中で死んだのなら、いろんな形の骨が残っているはずだが、残っている骨は、骨付き鶏肉似た骨ばかりで、数も5本程度しか残ってない。
このことから推測すると、この骨は小動物が運んできた骨である可能性が高い。
さらに、うんちがあった場所が、骨のあった場所とエンジンを挟んで正反対側の隅であったことからすると、うんちをする場所と食事をする場所をきっちり使い分けていたと考えられる。
そして、エンジンルーム中央の防音吸音材に大穴を空けて居住空間を広げ、モケモケになった吸音材の繊維をバッテリーの周囲に敷き詰めて寝床を作っていたのであろう。
2.小動物の侵入経路は、前輪のシャフト部分
前輪のシャフト周りはシャフトが上下左右に動くためカバーが付いていないので、猫が簡単に入れる程の隙間がある。
さらに最近の車は、ボディーは大きくなっているのに、エンジンは燃費向上のため軽量化で小さくなっており、エンジンルームに余裕があるので、エンジンの上から地面を見通すことができる程余分な空間が多いのである。
3.エンジンルームに侵入した小動物はイタチの可能性が大。
家の周辺で見かけたことのある小動物で、エンジンルームに入って来そうな動物といえば、猫、イタチ、アライグマが考えられる。
ネズミは見たことがないが、うんちの大きさからしてネズミは除外する。
エンジンカバーには足跡のような汚れが残っていたので、さっそく様々な動物の足跡をネット検索してみる。
この中で一番形状が近いものはイタチのようだ。
また、勇気を出してウンチの臭いを嗅いでみると、臭くないので、おそらく人に飼われている動物ではないだろう。
経験上、飼われている猫のウンチの臭いは強烈なのだ。
イタチだとするとかなり小さな隙間を潜り抜けれそうだな、困ったことになったぞ。
小動物侵入防止はどうすればよいか?
車を使った後のエンジンルームは暖かいので、冬場は小動物にとって格好の住処となる。
小動物はこの辺りにまだ生息しているはずなので、何も対策をしない限り、またすぐやって来るだろう。
どうしよう?
ディーラーに文句を言ってもしょうがない事は分かっているが、何故こんなに動物が簡単に入れるような隙間が空いているんだ!
何かオプションパーツでカバー的な物は存在しないのか?
穴の空いた吸音断熱材の見積もりは?
等々、ディーラーに相談に伺うことを装いつつ、少し文句を付けて、無償でエンジンルームの中を洗浄してもらうことにした。
なお、この悲惨な状況を訴えるために、あえて骨とウンチはそのままにしてディーラー行くことにした。
ディーラーで聞いてみた
先日購入したときの担当者に事情を話してみると、この辺の山手の方ではエンジンルームに小動物が入ることはよくある事らしい、自分の車もやられた事があると言う。
ならどうして対策してないの? と言いたくなる。
技術的にそんなに難しいことではなく、設計上考慮してないだけなのである。
特に、このマツダCX3のガソリン2WD仕様の場合、元々ディーゼル仕様のみであったが、モデルチェンジで付属機器の少ないガソリンエンジンに載せ替えたもので、デザイン的にフロント部が長いこともあって、エンジンルームがスカスカなのである。
オプションパーツでカバーする物は存在せず、ネットで探してもそのようなパーツは存在しないので、カバーするなら自分でどうにかするしか無さそうである。
カバー以外の対策としてディーラーの担当者が勧めてきたものは、下記のとおりだ。
①トゲトゲシートを地面に置く。
②超音波の猫よけ機を設置する。
③猫バンバン
④動物除けのくさい臭いの出る忌避剤をエンジンルームに置く。
であった。
たま吉は過去に、猫の侵入防止で苦労した経験があり、①のトゲトゲが全く役に立たないことは知っていた。
また②の超音波は設置したことはなかったが、ある人に聞くと猫の耳が慣れてしまえば効果がないらしい。
③の猫バンバンとは、車を運転する前にボンネットをバンバン叩いて追い出す意味であるが、これについてはそもそも侵入されることをあきらめている訳であるから論外だ。
とりあえず今すぐ実行できて、効き目がありそうな対策は、④の忌避剤をエンジンルームに置くことであろう。
たま吉が実行した小動物侵入防止対策 その1 忌避剤
(1)忌避剤の入手
ディーラーからの帰宅途中で、コーナンに寄ってさっそく忌避剤を買ってきた。
最初、どの棚に置いているのか分からないので店員に聞いてみたところ、虫よけスプレーコーナーに案内されてしまったが、たま吉が探しているものはそんな生ぬるいものではない。
結局自分で探し回ったところ、お目当てのものは園芸用品売り場にあった。
忌避剤は数種類が置かれており、結構需要があるんだなと感じた。
たま吉は、これらのうち、猫以外にも有効と記載されており、パッケージの上からでも臭いが分かるほどの、最も効き目がありそな 「フタワ 忌避一番固形」を購入することにした。
こいつは、動物の嫌う天然素材の臭いを混ぜたうえで、さらに燻してあるため少し焦げた臭いがする。
動物の火を嫌う性質をも利用しているらしい。
臭いの感想は一言でいうと「正露丸」の臭いである。
この臭いなら昔からなじみがあるので、それほど嫌な臭いではないと思うのだが、個人差はあるだろう。
(2)動物臭の洗浄
ディーラーでの洗浄は水洗いとエアパージだけだったので、家に帰ってボンネットを開けてみると、エンジンが暖まり、むせ返るような動物臭がした。
動物は、自身の臭いで縄張りを主張する習性があるし、このまま忌避剤を置くと、正露丸の臭いと動物臭が入り混じって大変なことになってしまう。
このままではまずいので、家にあるケルヒャーのスチーマーで念入りに洗浄し動物臭を完全に除去することにした。
話はそれるがスチーマーは、蒸気を勢いよく噴射するので、臭いはよく取れ、高温で除菌もでき、機器も濡れたままにならず、隙間も洗浄出来るので、こういう時には凄く便利である。
また、こいつを使ってワイシャツの襟首汚れを、酸素系漂白剤と重曹を塗ってから、スチーマーを当てることにより、完全に汚れを除去できるぞ。
こういうたぐいの機器は、パワーがものを言うので、たま吉は「ケルヒャー スチームクリーナー SC 4 」を使っている。
このグレードになると、ガンガン使っても蒸気の勢いが弱くなったり、何度も水を補給したりすることがないのでストレスがないよ。
話はそれたが、エンジンルームを広範囲にスチーム洗浄したら、あっという間に完全に動物臭を除去することができた。
(3)忌避剤の取り付け
忌避剤は、小動物の寝床となっていたバッテリーの上に、アルミテープで張り付けることにした。
(4)忌避剤を使用した感想
臭いはエンジンが冷えている時には気づかないが、車に乗った後エンジンが温かくなっていると、ボンネットを閉めていても車のそばを通るだけで臭いが分かるほどである。
だからと言って、窓を閉めていれば車に乗っているときに、正露丸の臭いに攻められることもないので、対策方法としては合格と言っていいだろう。
おまけに近所の猫や犬、鳥も寄って来なくなるメリットもありそうだ。
忌避剤はしばらく使っているとだんだん臭いが薄くなるが、たま吉の場合、週末しか運転しないからかもしれないが3ヶ月使用してもまだ半分ぐらいは臭いが残っていた。
たま吉が実行した小動物侵入防止対策 その2
1)どうしても侵入防止カバーを付けたい訳
忌避剤でも十分効果はあるのだが、たま吉としては忌避剤に頼らずに、車の中に入れないようにカバーをする方法を取りたい。
何故なら、正露丸の臭いがする家と思われたくないのと、車の中に忌避剤を入れていることが何となくかっこ悪いからだ。
まず改めて侵入経路を確認してみる。
一番怪しいのは前輪のシャフト周りからの侵入だ。
特に駐車するときにハンドルを切ったまま止めていると、どうぞお入りくださいと言わんばかりに、離し飼いされたデブ猫でも簡単にエンジンルームに入ることができそうな隙間が丸見えになる。
2)何でカバーすべきか
ここをどのようにカバーすればよいだろうか?
簡単に取り付けられて、劣化ぜず、外れず、タイヤの動きの妨げにならず、かつ安全なものでなければならない。
たま吉は、それらの条件を満たすものとして、ステンレスの針金を使用することに決めた。
ステンレスの針金であれば、錆びることはない。
ある程度の太さのステンレス針金であれば、しっかりと巻き付ければ車の寿命と同等の耐久性はあるだろう。
針金が外れなければ、シャフトに引っかかることもないので、すなわち安全ともいえよう。
たとえ外れてタイヤに引っかかったとしてもタイヤをロックする程の強度は針金にはない。
3)ステンレス針金およびステンレス金網使った小動物侵入防止カバー
(1)前輪のシャフト回りへの取り付け
まず太目のステンレス針金でシャフト周りの車体フレームの穴等にひっかけて隙間からの侵入を邪魔するように、一本一本巻き付けていくのだが、このとき絶対に前輪の動きの邪魔にならないように巻き付ける必要がある。
そのためには自動車の前輪の仕組みについて少し勉強しなければならない。
前輪の動きに関係する可動部分で、カバーと干渉する恐れがある部分は下記のとおりである。
これらの部分がどのような動きをしても、ステンレス針金が接することのないように施工した。
①ドライブシャフト
役割;タイヤに駆動力を与えるためのシャフト
動き;上下に動く、シャフトが回転する。
注意点;シャフトがどのような動きをしても針金と接触しないこと。
②ステアリングラック
役割;タイヤをハンドルの動きに合わせて左右に動かすためのアーム
動き;上下に動き、左右にも出たり引っ込んだりする。
注意点;アームとブーツがどのような動きをしても針金と接触しないこと。
③スタビライザー
役割;車体の傾きを抑えるためのアーム
動き;ほとんど動かない。
注意点;アームがどのような動きをしても針金と接触しないこと。
④ブレーキホース
役割;ブレーキを動かすための油圧ホース
動き;ほとんど動かさない。
注意点;ブレーキホースに針金が刺さったりしないこと。
↑左タイヤ側 前輪シャフト周り(後方から撮影)
針金を引っ掛ける穴や出っ張りがある時は、簡単に巻き付け作業は終了するだろう。
思ったところに巻き付け場所がないときは、最初に巻き付ける針金に小さい輪を作り、その輪に次の針金を巻き付けるなどして蜘蛛の巣状に針金を張っていく等の工夫が必要になる。
針金取付作業は、タイヤを外さずに行ったため、かなり大変な作業になってしまったが、何とかやり終えた。
しかし、針金を巻き付けただけではまだ隙間が大きく、太った猫ぐらいにしか効果がなさそうだ。
そこでステンレス金網を購入し、これをさらにステンレス針金で取り付けていくことにした。
買ってきたのは 1×2m程の大きさもの。
ステンレス金網をカットしたときは、切れっぱなしのままにしておくと、金網がほどけてしまうので、一本一本丁寧に端をひねっておく。
ステンレス金網の素線はあまり太くないため耐久性はそれほどなさそうなので、絶対に外れないようにしっかりと固定する。
施工で難しかったのは、ステアリングラックのブーツ(蛇腹状のゴムカバー)が、ハンドル操作によって出たり入ったりするため、針金に接触しないようにある程度隙間を持たせて、ぎりぎりのところを狙って取り付けたところである。
前輪のシャフト周りは可動部があるため、完璧にガードすることはできないので、イタチが本気を出せば侵入することはできるだろう。
しかし、猫なら通れないぐらいまでカバーできたであろうし、イタチといえどもある程度侵入を抑止することはできるはずだ。
↑左タイヤ側 前輪シャフト周り(前方から撮影)
↑右タイヤ側 前輪シャフト周り(後方から撮影)
施工後、試運転をしてみたところ、坂道でハンドルを切ったときに少し針金が当たって異音が発生することがあったが、少しずつ針金の位置を修正することによって、異音が発生することはなくなった。
(2)車体中央下部への取り付け
シャフト周りに針金取り付け作業をしている最中、ふと車体底部の中央に目をやると、なんとここにも大きな侵入口があることに気が付いた。
CX3にはアルミ製のアンダーカバーがついているが、こいつは完全に車体をカバーする気は全くなく、なんとなく盾のように存在しているだけで、隙間だらけなのである。
幸い、四輪駆動車じゃないので、中央部に可動部分がないため、こちらの隙間については、いったんアンダーカバーを取り外してから、ステンレス金網をサンドイッチして、再度アンダーカバーを取り付けて、簡単にかつ完全に侵入口を塞ぐことができた。
忌避剤を撤去して、ステンレス針金カバーのみにしてから1年経過したが今のところ被害はない。
( アイドリングしているとき、針金が振動する音が時々聞こえるので、今後は下記のような樹脂製メッシュに変更することを検討しているところである。
この樹脂製メッシュは植木鉢の底網として以前より利用しているが、屋外においても劣化して割れたりしたことはなく耐久性はあるようだ。
また板状だが適度に柔軟性があり、はさみで好きな形に切り取れるので使いやすそう。)