分銅式ガット張り器① 購入のきっかけ、ラインナップ
テニスが好きだからと言って、個人でストリングマシンまで持っている人はそんなにいないと思いますが、安くて持ち運びができる分銅式ガット張り器は持っていても損はないです。
分銅式ガット張り器を購入したきっかけ
1.ガットを張る人や、ストリングマシンによってガットの仕上がりが全く違ってくるから。
たま吉も以前は、ガット張りマイスターの店長がいるテニスショップを利用していたが、某店は仕上がりテンションが他店で張るよりかなり高く感じるので、わざと標準よりテンションを落としてオーダーしていたことがあった。
おそらくガット張りが上手い人ほど、ガットがゆるまないように作業を進めるので、張りが強くなる傾向があると考えられる。
逆に言えば、ガット張り初心者の新人コーチなどが張ると、張りたてでもガットがヨレていたりするので注意が必要だ。
また高価な電動ストリングマシンほど、機械的剛性が強くなりガットの張力に負けないようになったり、プレストレッチ機能が付いていたりするので、仕上がりテンションは高めになる傾向があると思われる。
同じテンションで注文していても、バラツキがあるのは当然のことと考え、絶対的な数値にこだわるより、自分が気に入ったテンションとガットの組み合わせが見つかったら、次回以降も同じ店の同じ人に張ってもらうのがいいだろう。
2.自分に合った究極のガットやテンションセッティングを探求したいから。
一度気に入ったガットを見つけても、自分の思うようにプレイできなかったりすると、ガットのせいにしてしまう人は多いだろう。
そうすると、また別のガットに手を出したり、別の張り方を試したりしたくなるが、 自分にとって最適なセッティングを見つけるためには、様々なガットを様々な張り方で納得が行くまで試す必要がある。
しかし一般庶民はそんなことに費用を掛けられない。
そんなたま吉のような人間は、自分でガットを張るしかない。
ガット張りを経験していくと様々な発見がある。
ガット張りはテンションやガットの種類、組み合わせ以外にも、ストリングマシンに固定するときの強さや、ゆるみ取り作業のさじ加減でもセッティングが変わってしまうのだ。
セッティングが変わると、特にスナップバック効果に影響が出やすい。
スナップバックが効き過ぎると、スピン過多になったり速いスイングに対するコントロール性が悪くなったりする。
逆にスナップバックが全くないと、ガットの反発力が生かせず、打感が重くなり、スピンもかからず球速も遅くなってしまう。
3.ガットの寿命は短い
ガットの寿命はほとんどの初心者の方が思っているより短い。
週2回使用しているたま吉の場合でさえ、2.5カ月ぐらいが寿命。
(これはAKPRO16(メイン)とシグナムプロ HYPERION(1.23mm) のハイブリッドの場合で、どちらもテンション維持率は高いとされている。)
もしガットがポリエステルガットの「ルキシロン ALU POWER」だったとしたら、たま吉の感覚では、わずか1日で使用感が変化していることを感じる。
ガットが最高の状態にあるときは、打感を感じないのに球がものすごく速く飛び、コントロールも良い。
それが段々悪くなったと感じた時が寿命である。
ガットが切れたり、やせ細ったり、ノッチが深くなったりした時は、とっくの昔にガットは死んでいる状態で、そんなガットはたいてい打感が強くなるので腕を痛めてしまうおそれもある。
4.費用を気にせずガット張替できるから
もし自分でガットが張れたら、ガット代だけで済む。
ある程度気に入ったガットが見つかり、そのガットをロールで購入すれば、ガット代は1回700円ぐらいで済むし、最近では通販でロールガットをカットしたものをメール便で安く入手することもできるので、様々なテンションやハイブリッド張りの組み合わせ等を思う存分試すことができる。
「HandsWin S-60」の場合、価格は5万円ぐらいなので、一般的なガット張り工賃を1700円とするとガット張り替えを30回も行えば元が取れる計算になる。
ただし、張替にかかる労力や時間を消費することになるが、お店にガットを持って行ったり、取りに行ったりすることと相殺されると考えればそれほどでもない。
5.分銅式ガット張りマシンは、手の届く価格なのに信頼ができ手軽だから。
分銅式ガット張り器は重力でテンションをかけるので、調整が必要なばね式や電動式ストリングマシンよりある意味正確で、構造が単純なので直感的に作業を進めることができる。
また重量が10kgぐらい(「HandsWin S-60」の場合)と軽いのでどこへでも持ち運べ、座ったままでも作業ができる。
ちなみに電動ストリングマシンは45kgぐらいあるので簡単には動かせないし置き場所にも困る。
6.手先が器用なので、ガット張りをマスターする自信があったから。
ガット張り器を買ったはいいけど張れなかったでは残念。
ガット張り器で器用さが求められるところは、フレームにストリングを通すときに重なったストリングをよけながら通すときぐらいでしょう。
クランプの挟む強さを調整したり、グロメット部のストリングの緩みをしごいたり、ノットを結ぶ時も多少気は使うが難しいことではないよ。
7.ガット張りが上達したら、ちょっとした小遣い稼ぎができるかもしれないから。
「自分でガット張りをしています」とテニス仲間に言うと、格安工賃にしているせいか結構依頼が来るようになります。
ただしテニススクールでは営業妨害になるといけないので、宣伝しない方が無難だね。
兵丹島オリジナルストリングマシン「HandsWin S-60」 について
いろんなテニス用分銅式ガット張り器を調べまくった結果、たま吉が購入したのは、
HandsWin(ハンズウィン)テニスS-60ストリングマシン
決め手は、詳しい写真解説があり、1年間の保証付きで販売元も信頼できそうだったからだ。
このマシンを使い始めたのは3年ほど前、使い方は取扱説明書にすごく詳しく書かれていたので不安はなかった。
またストリングガイドという本が付いていて、様々なメーカーのラケットについて、ガットの必要長さ、最初と最後に通す穴の位置、結びめ(ノット)の位置等が記載されている。
初めてこのマシンでガット張りをしたときは、取扱説明書を片手に試行錯誤で、ほぼ1日かかってしまったが、1回目でも失敗することもなく、なんとか張り終えることができた。
現在では、概ね1時間半で張れるようになったよ。(しっかりゆるみを取りながら張った場合)
分銅式ガット張り器② 「HandsWin S-60」の使い方
分銅式ガット張り器のラインナップ
国内で買える分銅式ガット張り器は残念ながら少ない。
「HandsWin S-60」の場合も、兵丹島さんのオリジナル商品となるため、取扱量もそれほど多くないと思われる。
購入を考えている方は、早めに購入したほうがいいだろう。
「HandsWin S-60」 以外ではテニス用としては下記がある。
ベースからの固定クランプ方式なので、フライングクランプ方式よりテンションロスが抑えられることが期待できる。
②Tourna ドロップウェイトストリングマシン 150-CS
こちらも固定クランプ方式
③ガンマスポーツX - 2テニスラケットStringing Machine
④Klippermate(クリッパーメイト)テニスUSA製ガット張り機
こちらは、価格が安いが普及品なので信頼できそうです。
分銅式以外の手動式ガット張り器
世界で最小・最軽量マニュアルストリングマシンマイストリンガー MiStringer(マイストリンガー)ストリングマシン(ガット張り機)
ラケット支持部は6点支持でそれぞれを六角レンチで固定。
こちらは「EZ-プル」という独自の方式でテンションをかける機種で、クランプもテーブルの穴に突き刺してからはさむという独特の方法で固定クランプを実現している。
また 高圧縮アルミニウムモールディングと高品質スチールで組まれた本体なのに重量がわずか2.7kgしかないのが驚きである。
ラケット支持部は6点支持でそれぞれを六角レンチで固定。
トアルソン テニス・バドミントン ストリングマシン X-STi/手動ストリングマシン(1503222I)
こちらは、バネ式のガット張り器。
有名メーカー品なので信頼感があるね。