きっかけ
先日、ボールレスキューをコート上に落下させてしまい、写真のとおり黄色いネジの部分が欠けてしまった。こうなるとふたがしっかり閉まらないので密閉は不可能。
このテニスボール加圧器は、エアが抜けた球でもボールの外側から圧力をかけることで徐々にエアがボールに染み込み、復活させることができる優れもので、すごく役立っていたが、ボールレスキューは8千円以上するのでもう一度買うことにためらいがあった。
そこで安く加圧器を手に入れる方法を探っていると、塩化ビニル配管を使用し、多くの人が自作していることが分かったので、試しに作ってみたところ、実に簡単に出来てしまった。しかも空気漏れが全くないので、大変満足している。
↑ 玉吉が作っテニスボール加圧器
この加圧器の作り方は、多くの人が公開している。
ここでは、この加圧器を作る前の玉吉が詳しく知りたかった部分を補足しながら説明していきたいと思う。
テニスボール加圧器の作り方
【使用した材料】
① エアバルブ 型番TR413(ネットで購入)
② 積水化学工業 型番NCO65(ネットで購入)
③ アロンアルファー耐衝撃EXTRA(ホームセンターで購入)
④ 2液性エポキシ接着剤(コニシ ボンドクイック5)(ホームセンターで購入)
⑤ シリコングリス(ネットで購入)
【使用した道具】
1 電動ドリル
2 細いドリル刃(Φ4㎜ぐらい)
3 ステップドリル(Φ4/6/8/10/12/14/16/18/20/22)
【材料の説明】
① エアバルブ 型番TR413 について
寸法図
商品説明より
「自動車用タイヤバルブの中でも最も一般的に使用されているチューブレスタイヤ用スナップインバルブ。リム穴に挿入して装着するとゴムの弾性によりシール面とリップがリム穴にぴったり密着しタイヤ内のエアーを保持します。」
② 積水化学工業 型番NCO65 について
これは排水管を掃除するために取り付ける部品で、寸法は下記のとおり。
(この製品と似たようなものも存在するが、この製品のみを使用すること。)
↑(メーカーサイトより)
↑ オーリングとの当たり面は滑らかで密閉性は高い。
NCO65 を買ったばかりの時、ふたがかなり固めに閉まっていたので、ふたを緩めるのに少し苦労したが、実用上そんなに固く締めなくても、オーリングゴムの弾力で空気漏れは発生しない。
もし固く締めてしまった場合は、下の写真のようにドライバー等を突起部分に引っ掛けて開けられるようになっている。そのためふたの上部に取り付ける空気バルブは下の写真の位置にするのがおすすめで、この位置にすると、ふたの裏側にある文字の凹凸もかわすことができる。
↑ ふたの裏側の文字の凹凸
上記の点をふまえると、バルブの取り付けは、ふたの外側から23㎜で、下の写真の位置が最適である。
【製作工程】
1. ふたのバルブ取り付け位置に下穴をあける。
ふたの端から23mmの位置に印をつけて。
4mmぐらいドリル刃で下穴をあける。
2. 続いてステップドリルでΦ14mmの位置まで丁寧に掘り進める。
掘り込む深さは下図を参考にしてね。
3.ふたの裏側からバリも取ると、穴の厚みが3.5mmぐらいになるので、バルブのくびれとぴったりになる。
穴にシリコングリスを塗り、バルブをふたの内側から差し込んでふたは完成。
(シリコングリスの目的は、密着性を高めるため。普通のグリスはゴムを劣化させるので注意。)
4.ボールケースと配管NCO65 をアロンアルフアで仮接着
接着に使用したのは下記のアロンアルフアであるが、これはあくまで仮接着用とし、次のエポキシ接着材にて本接着し、すき間を完全になくす方法をとった。
仮接着なので、4か所ぐらいにアロンアルフアをつけて。
ボールケースと配管をくっつけて、3分ぐらいキープすると、ある程度接着する。
(たま吉が最初に使用したボールケースは運悪く、アルミの口が少し変形していたためか、すき間がかなり生じているのが気になったが、この後のエポキシ接着材で完全に密閉できたので問題なし。)
5.エポキシ接着剤ですき間を完全に埋める。
エポキシ接着剤は2液性で、2液を混ぜると5分ぐらいで固まり始める。肉盛りを厚くすることが可能なのですき間を埋めるには適している。また耐衝撃、耐水性もある。
余計なところにエポキシ接着剤が付かないように、あらかじめ内側のみマスキングしておいた。
エポキシの2液を混ぜて。
つなぎ目の内側と外側両方に、エポキシ接着材をへらで塗り付ける。
もたもたしているとすぐ固まってくるので、作業中の写真は撮る間がなかった。
外側はマスキングしてなかったので、見栄えが悪いがこれで完成。
接着後、一晩寝かせてから、自転車用空気入れで約15PSIまで加圧する。
(ちなみにニューボールの密閉圧力は15PSI程であるらしい。)
もし空気入れに圧力ゲージが付いていなくても、ボールケースを外側から押せば、圧力がどれぐらいかかっているかは感じとれると思うので問題はないだろう。
ボールを取り出すときは、ケースを少し振って、爪でかき出すようにすれば簡単に取り出せるよ。
以上